京の蛙と大阪の蛙

京の蛙は花の都である大阪見物に、大阪の蛙は御所のある京都見物に行こうと一念発起し、中間の天王山あたりでばったり出会った。
「京は素晴らしいそうですね」「大阪も死ぬまでには一度観てみたい」
とは思っていたが、まだ道半ば。帰る距離を考えるとまだ1/4しか歩いていない。
そこでお互いが山頂からそれぞれピョーンと一発、京と大阪を遠望することにした。
「あれ?京って大阪となんもかわらんやん」「うーん、大阪も京と全然変わらんな」
それなら、と2匹の蛙は、それぞれ見物を止めて、帰郷した。

それぞれがみた町がそれぞれ大阪の蛙は大阪を、京の蛙は京を観たとは気がつかずに。

早合点の寓話?

早合点した蛙の話です。人の話をしっかり聞くためには、

1.集中して聞くこと 2.最後まで聞くこと 3.確認すること

です。でも脳科学的にはちょっと切り口が違います。


ストコーマという概念

脳科学で「ストコーマ」という概念があります。心理学的盲点という言葉の外来語ですが、私は講習ではこのように解説しています。

(1)よく知っていることは、知っているので聞かない。

(2)よく知らないことは、よく知らないから心に残らない。

(3)よく知っていることのようで、新たな発見がありそうなことには耳が傾く

学科を学習する際にも、この概念は使えます。
読みとばしする、早合点するのは、焦るあまり、知っていること、と思ってしまう、わからないからほったらかしにする、ことが原因であることがあり、常に「差異」で読もうとすると(3)の読み方ができるようになります。

知っていることだろうけど、もしかしたら何か新しい問いなのかもしれない、と思うことって
とても大切な技術なのです。

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